この場所について

私たちの生活は、数年前に比べると遥かに便利になりました。
一方で、なんだかたまに窮屈に感じることがありませんか?

私たちは一体、
何に急かされているのでしょうか。

“自分の素のペース”を知り、
それに自信を持って保ち続けられるような場所を目指し

人らしい人が育ち
まちらしいまちが育っていく。

その起点となるような場所になれば良いなという想いで営んでいます。

JR階上駅から徒歩3分の『北澤商店』。
そこで売られていた味噌や醤油を作っていたのがこちらの赤煉瓦造りの蔵です。

北澤商店は、初代の北澤石太郎さんが昭和15年(西暦1940年)から始めた商店で、
味噌・醤油・米を売っていたそうです。

また、石太郎さんは戦後に八戸酒造で勤務していたようなのですが、そこの酒樽を譲り受け
それを味噌樽として味噌を作ったのが始まりだったとのこと。

大きな大きな木樽が3つ並んでいます!(別の蔵に保管してあります)

それから二代目の北澤一郎さんに代変わりし、
この赤煉瓦造りの蔵は1980年に建てられました。

蔵には北澤一郎さんの名前が刻まれています。
ぜひ見つけてみてくださいね。

そして2017年、惜しまれつつも北澤商店は閉業してしまいました。

地域に愛された北澤商店の味噌について、今でも当時の味を知っている方からは
「本当に美味しかった」「よく通って買いに行っていた」との声を聞きます。

今回の改修では、綺麗にしすぎずに敢えて
『不完全さ』を残しました。

これまで訪れてくれた方々と話していると、
抜けがあるからこそどんどんアイデアが出てきたんです。

これがきっちりと整えられた
綺麗な空間だったらと考えると、
こういったことは起きなかったんじゃないか?と感じました。

敢えて抜け(関わりしろ)を残すことで
これまでの蔵の趣も残し
古い雰囲気も楽しめる空間になったと思います。

そして、
コーヒーが飲める
良い感じの音楽が流れている
お酒が飲める
ゆっくり本が読める
出会えなかった人と出会える
自分のなかに小さな熱が生まれる・・・

生まれ育ったまちで
そんな素敵な場所を育てていこうと思います。

店主自身、不完全なことが多いですが
それが人間の個々の面白さや味だと思うので!
あたたかい目で見守ってくださると幸いです。